日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
顎関節症により両側口蓋扁桃摘出術施行時の術野展開が困難であった1症例
吉福 孝介西元 謙吾松崎 勉
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2014 年 117 巻 10 号 p. 1264-1269

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抄録

 30歳男性の IgA 腎症患者に対して全身麻酔下に両側口蓋扁桃摘出術を施行に際して, 筋弛緩薬を投与したにもかかわらず, 全身麻酔導入後に開口障害を来し, 術野を展開することが困難であった症例を経験した. 悪性高熱症などは否定され, 顎関節症による開口制限症例の可能性があるものと判断し, 徒手整復を施行したところ十分に開口が可能となり術野の確保が可能となった.
 口腔咽喉頭手術操作に携わる耳鼻咽喉科医にとって, 全身麻酔導入後の開口障害に遭遇した場合には, 顎関節症 III b 型によるものも原因の一つの可能性があることを考慮し, 他疾患が否定的であれば, すみやかにマニピュレーション法を施行すべきであると考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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