日本耳鼻咽喉科学会会報
Online ISSN : 1883-0854
Print ISSN : 0030-6622
ISSN-L : 0030-6622
原著
頸部リンパ節転移に対する放射線併用超選択的動注化学療法の治療効果
間多 祐輔越塚 慶一伊原 史英植木 雄司今野 昭義
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 117 巻 6 号 p. 794-801

詳細
抄録

2009年4月から2013年5月までに放射線併用超選択的動注化学療法を施行した頸部リンパ節転移を有する新鮮頭頸部扁平上皮癌32例を対象として病理組織学的治療効果と臨床的治療効果を検討した. 転移リンパ節の臨床的治療効果は CR が16例, PR が16例であった. 症例に応じて頸部郭清術またはリンパ節生検を行い, 病理組織学的治療効果を検討した. 転移リンパ節の病理組織学的治療効果を検討した32例のうち, N3 症例では9例中7例で腫瘍細胞の残存を認めたが, 7例で根治切除は可能であった. N1, N3 症例を除いた22例の頸部リンパ節の病理組織学的 CR 率は63.6%であった. N1, N3 症例を除く, 転移リンパ節へ直接動注した13例の病理組織学的 CR 率は76.9%であり, 一方, 原発巣が大きいために原発巣のみに動注した9例の病理組織学的 CR 率は44.4%であった. したがって, N3 症例や N2b, N2c 症例の頸部リンパ節転移に対しても放射線併用超選択的動注化学療法は有効と考えられた. 治療後の臨床的評価で CR と判断したが病理組織検査では viable な癌細胞の残存を認めた症例が25%にみられたことから, 転移リンパ節の残存を疑う場合には頸部郭清術を行い, CR と評価した場合にも転移リンパ節の生検を行い, 病理組織学的治療効果を確認する方がよいと思われる.

著者関連情報
© 2014 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top