日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
歯科修復治療 (齲蝕切削・窩洞形成・インレー修復) に伴う歯性上顎洞炎
佐藤 公則
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2014 年 117 巻 6 号 p. 809-814

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抄録

1. 歯科修復治療 (インレー修復) 後の歯が原因歯である歯性上顎洞炎を報告した.
2. 齲蝕の進行が歯髄腔・歯髄に及んでおらず, 歯髄腔・歯髄に操作が加えられておらず, 象牙質という物理的バリアが介在している歯科修復治療 (齲蝕切削・窩洞形成・インレー修復) により, たとえ露髄していなくても根尖病巣を来し, 歯性上顎洞炎の原因歯になり得る病態が存在する.
3. 歯科で修復治療 (インレー修復) された歯でも歯性上顎洞炎の原因歯になり得ることを念頭に置き, 日常臨床で歯性上顎洞炎の診療を行う必要がある. すなわちたとえ歯科処置後の歯で口腔内所見上齲歯がなくても, 歯性上顎洞炎の原因歯として疑うことが非常に大切である.

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© 2014 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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