日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
耳鼻咽喉科領域における漢方医学のインパクト
―頭頸部癌から中耳炎まで―
吉崎 智一室野 重之中西 清香伊藤 真人丸山 裕美子三輪 高喜白井 明子小川 恵子
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2015 年 118 巻 11 号 p. 1295-1300

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抄録

 9割以上の医師が漢方薬の処方経験を有するに至っている今日である. 一方で「証」を中心とした診断概念は, 耳鼻咽喉科ならびに各種診療科においても浸透しているとはいいがたい. 本総説では, 最初に嗅覚障害に対する漢方医療として当帰芍薬散を紹介する. つづいて口内炎と舌痛症に対する漢方薬治療について半夏瀉心湯と滋陰至宝湯の有効な症例を解説する. その次に, 漢方薬のずぶの素人らしく「証」は全く無視して, 十全大補湯の有する成分と効能に基づいて当教室が厚労省班研究として施行した頭頸部癌と小児反復性中耳炎に対する多施設共同研究試験の結果について概説する. 特に後者の方の臨床試験の結果は「小児急性中耳炎ガイドライン2013」に反映されることとなった.

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© 2015 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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