2015 年 118 巻 11 号 p. 1327-1333
われわれは気道狭窄を伴う咽喉頭血管奇形を4例経験した. 内訳は女性3例, 男性1例, 年齢は34~52歳, 血管奇形の部位は中咽頭後壁が2例, 下咽頭 (右披裂喉頭蓋襞) が1例, 中咽頭前壁・側壁・下咽頭が1例であった. 主訴は全例が仰臥位での呼吸困難感であった. 治療は気管切開を施行後に, 全身麻酔下で肉眼あるいはビデオ直達喉頭鏡下に病変を明視下に置いて直接穿刺による硬化療法を行った. 効果は病変が消失した excellent: 1例, 縮小した good: 3例であり, 気管切開も全例閉鎖できた. 治療に伴う重篤な有害事象はなく, ビデオ直達喉頭鏡を用いた硬化療法は咽喉頭の血管奇形に対する治療として有用と考えられた.