日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
甲状腺乳頭癌周囲臓器浸潤例における予後の検討
山田 光一郎田中 信三平塚 康之隈部 洋平渡邉 佳紀吉田 尚生吉松 誠芳
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118 巻 (2015) 2 号 p. 115-122

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抄録

 はじめに: 甲状腺乳頭癌周囲臓器浸潤例を対象に予後因子について検討した.
 対象と方法: 1993年4月から2011年4月までに当科で初回手術を施行した甲状腺乳頭癌症例のうち, 周囲臓器浸潤を認めた72例 (全例 T4a, N0/N1a/N1b 25/15/32例, M0/M1 68/4例, 経過観察 8.1±4.4年) を対象とした.
 結果: 原病死は11例, 担癌他病死3例, 担癌生存10例であった. 粗生存率は, 5年88.3%, 10年73.4%であり, 疾患特異的生存率は, 5年91.4%, 10年88.6%であった. 局所再発は7例で認め, 局所制御率は, 5年94.1%, 10年85.4%であった.
 単変量解析において, 疾患特異的生存では初診時遠隔転移, 気管浸潤, 複数臓器浸潤が, 局所制御では食道浸潤, 喉頭浸潤, 複数臓器浸潤が, 術後遠隔転移出現では気管浸潤, 喉頭浸潤, 食道浸潤, 複数臓器浸潤が有意差のある因子であった.
 浸潤臓器別 (反回神経, 気管, 食道, 喉頭) に多変量解析を行ったところ, 疾患特異的生存では気管浸潤が, 術後遠隔転移出現では気管浸潤と喉頭浸潤が有意差のある因子であった.
 結論: 初診時遠隔転移と複数臓器浸潤に加え, 気管浸潤と喉頭浸潤が危険度の高い予後不良因子であることが示唆された.

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© 2015 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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