日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
当院における鼻副鼻腔 Solitary Fibrous Tumor 3例の検討
南 和彦久場 潔実松村 聡子林 崇弘中平 光彦菅澤 正山口 浩高柳 奈津子
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2015 年 118 巻 7 号 p. 875-881

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抄録

 孤立性線維性腫瘍 (Solitary fibrous tumor: 以下 SFT) は, その多くが胸膜に発生する. 鼻副鼻腔から発生した SFT はまれで, 確認し得た限りでは自験例も含めて39例である. 今回, われわれは鼻副鼻腔に発生した SFT 3例を経験したので報告する. 2例は初回治療例で1例は術前組織診断がついていたが, 1例は血管原性腫瘍と術前診断していた. この2例は血管塞栓術後に鼻内内視鏡下に腫瘍を切除した. 1例は腫瘍切除術後4年7カ月経過してから頭蓋内再発し, 開頭前頭腫瘍切除術, 鼻内内視鏡下前頭蓋底手術を施行した. 再発時には悪性所見を認めたため術後に放射線照射を施行した. いずれの症例もその後は再発や転移を認めていない.

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© 2015 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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