日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
新潟県における耳鼻咽喉科健診の実態調査結果
―幼稚園から高等学校まで―
大滝 一廣川 剛夫石岡 孝二郎堀井 新髙橋 姿
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2016 年 119 巻 7 号 p. 941-948

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抄録

 今回われわれは, 新潟県で初の幼稚園から高校までの耳鼻咽喉科の健康診断に関する実態調査を行った.
 その結果, 幼稚園, 保育園の62.1%で耳鼻咽喉科健診が行われておらず, 健診が行われている園の23.9%では他科の医師によって健診が行われていた. 就学時健診にいたっては, 耳鼻咽喉科医による健診が行われていたのは全体の4.2%にすぎなかった. 小, 中学校では全学年に健診が行われていたのは小学校で51.7%, 中学校で31.6%であった. 聴力検査は小, 中学校とも80%以上で全学年に検査が行われていた. 高校では全学年で健診が行われていたのは105校中わずか3校で, 1年生を中心に健診と聴力検査が行われていた.
 上記の結果に加え, 今回の調査で, 1自治体の1つの小, 中学校で9年間に一度も耳鼻咽喉科健診が行われていないことが分かり, 該当自治体と協議の結果, 平成28年から健診を行うことが決まった. また耳鼻咽喉科疾患の有所見率の高い幼児の健診体制強化の観点から, 健診率の低い新潟市の私立幼稚園の健診実施を新潟市に要望した.
 今回の調査を通して, 初めて分かった事実もあり, 問題点に対して対策を立てられた点で, 今回の調査は有意義であった. 今回の結果も踏まえ, 今以上に健診を含めた学校保健活動に積極的にかかわっていきたいと考えている.

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© 2016 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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