2016 年 119 巻 7 号 p. 962-966
症例は54歳男性. 咽頭痛を主訴に入院. 炎症反応の高値, 頸胸部 CT では扁桃下極から頸部食道にかけて膿瘍および, 壁肥厚を認めた. 咽頭膿瘍を切開し, 細菌検査では Streptococcus milleri group の一つである Streptococcus constellatus が検出された. 扁桃周囲膿瘍から波及した食道粘膜下膿瘍と診断した. 炎症は, 咽頭粘膜間隙から食道粘膜下にのみ波及したと考えられた. 炎症が食道壁内にのみ留まったため, 重篤化せず抗菌薬による保存的治療にて軽快した.