日本耳鼻咽喉科学会会報
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総説
めまいの診療up to date
工田 昌也
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2017 年 120 巻 10 号 p. 1224-1230

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抄録

 めまいの診療では, 最近のテクノロジーの進歩に伴い新しい検査・解釈が生まれ, それを基にした新しい疾患・概念が提唱され, 新しい治療法が出現してきた. 本稿では, 新しい検査として, 末梢前庭器機能検査であるVEMP (Vestibular Evoked Myogenic Potential) で卵形嚢, 球形嚢, vHIT (video Head Impulse Test) で前・外側・後半規管の機能検査が可能となったことから, これらの検査の意義, 検査法, 注意点などについて解説した. 新しい疾患では, 良性発作性頭位めまい症 (BPPV), 中でも外側半規管型BPPVの分類, ライトクプラの診断, 患側の決定, 治療法について解説した. 片頭痛関連めまいでは, 診断はほぼ問診で行えることから, その診断治療について, 心因性めまいでは, 疾患概念, 診断には頭振り眼振検査, ラバー負荷重心動揺検査が役立つこと, HADS, DHIなどの心理テストの活用法, 具体的な治療等を解説した. 最後に古くて新しい問題として末梢性めまいと中枢性めまいの鑑別について, 問診, 特徴的な眼振所見, HINTSの活用法について解説を行った.

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© 2017 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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