日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
Silent sinus syndrome 様の所見を呈した鼻副鼻腔乳頭腫
齋藤 善光宮本 康裕望月 文博阿久津 征利加藤 雄仁藤川 あつ子栗原 宜子谷口 雄一郎肥塚 泉
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2018 年 121 巻 6 号 p. 799-804

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抄録

 Silent sinus syndrome(SSS) は上顎洞自然孔が閉塞し, 低換気により洞内が陰圧化し, 上顎洞内陥や骨菲薄化に伴って無症候性の眼球陥凹, 眼球低位を認める疾患である. われわれは, 鼻副鼻腔乳頭腫の影響で, 上顎洞自然孔閉塞により発生したと思われた, SSS 様の所見を呈する1例を経験した. 治療は, 内視鏡下で腫瘍摘出し, 上顎洞を開放した. 術後, 上顎洞内陥は改善し, 翼口蓋窩陰影が縮小した. 上顎洞自然孔が閉塞し, 上顎洞内陥に伴う翼口蓋窩の拡大を認めた場合は, SSS を念頭に置く必要がある. また, SSS であれば上顎洞を開放することで症状, 所見共に改善するため, 診断的治療として手術は有効な手段と考える.

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© 2018 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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