日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
アデノイド切除術後に開鼻声を生じ外科的治療を必要とした小児例
髙尾 なつみ榎本 浩幸木谷 有加田中 恭子井上 真規小林 眞司折舘 伸彦
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2020 年 123 巻 5 号 p. 371-376

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抄録

 アデノイド切除術後の合併症として鼻咽腔閉鎖不全を来すことがあるが, 多くは保存的加療で消失する. 今回アデノイド切除術後に重度の開鼻声を生じ改善に外科的治療を要した一症例を経験した.

 症例は5歳女児. 両側滲出性中耳炎, アデノイド増殖症に対し両側鼓膜チューブ留置術, アデノイド切除術を施行した.術後より聴力は改善したが, 開鼻声を来し発話明瞭度が低下した. 手術4カ月後から言語訓練を開始したが改善せず, 上咽頭ファイバースコピー, X 線所見より先天性鼻咽腔閉鎖不全症と診断し7歳9カ月で自家肋軟骨移植による咽頭後壁増量法を施行し症状は改善した. 術前予見可能性および発症後の対応について検討したので報告する.

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© 2020 一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会
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