日本耳鼻咽喉科学会会報
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原著
当科における小児気道外来・音声外来を受診した患児の臨床検討
宮本 真渡邉 格橋本 麻未中川 秀樹齋藤 康一郎
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2020 年 123 巻 9 号 p. 1161-1167

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抄録

 耳鼻咽喉科の一般診療において, 小児を診察する機会が多く, その対象は “みみ”, “はな”, “のど” の多岐にわたる疾患である. “のど” は呼吸, 音声, 構音, 嚥下にかかわっているが, これらがまとまった臨床統計はほとんどない. 今回われわれは当科小児気道外来と音声外来の2つの専門外来を受診した小児患者 (15歳未満) 73名のうち, 舌根嚢胞再発の患児1名と一般外来での診察が多いアデノイドや扁桃肥大に伴ういびきの患児1名を除いた71名を対象に検討した.

 受診時の年齢は生後2日~14歳7カ月であり, 1歳未満での紹介が29.6%であった. 呼吸に関する患児は34名であり, そのうち喘鳴や無呼吸を主訴とした患児は20名であった. 喘鳴を主訴とした患児11名のうち9名が喉頭軟弱症, 1名が喉頭軟弱症+気管軟弱症であった. 無呼吸では早期産で低出生体重児など生理的な無呼吸が多く見られたが, 原因が判明しなかった児もいた. 気管切開に関する患児では, 気管孔や気管内の肉芽, 気管内出血など気管切開術に関する合併症での紹介であり, 手術加療が必要であった. 音声障害の患児は32名で, 声帯結節が全体の9割弱であり, 受診時の年齢も6~8歳にピークを認めた. 治療として声の衛生指導のみで半数近くに声帯結節の縮小を認めた.

 小児の “のど” といった気道評価を行う場合, 気道の専門家としてわれわれ耳鼻咽喉科医の果たす役割は大きいと考える.

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