中耳血流は外頸動脈系, 内耳血流は椎骨脳底動脈系と異なる血流系に属しており, その様態にも差異があると予想される.
我々はモルモットを用い10%CO2+90%AirによるCO2負荷と呼吸停止負荷時の, 中耳・内耳血流, 血管径の変化を顕微鏡下直接観察法, レーザードップラー法にて検討した.
中耳・内耳血管径はPCO2の上昇により拡張したが, PO2が極度に低値の呼吸停止負荷時は, PCO2が上昇しても逆に収縮した. CO2負荷, 呼吸停止負荷ともに, 中耳血流は10~30%減少し, 逆に内耳血流は10~40%増加した. これは低PO2や高PCO2の状態においても, 内耳血流は自己調節機構が関与し, 中耳血流と本質的に異なった性質を持つことが示された.