日本耳鼻咽喉科学会会報
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ELISA法によるChlamydia pneumoniae抗体の疫学的調査
獄 良博榎本 雅夫芝埜 彰硲田 猛真斉藤 優子高橋 將範
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1998 年 101 巻 11 号 p. 1316-1320

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抄録

Chlamydia pneumoniaeは,呼吸器疾患だけでなく上気道感染症にも関与する細菌であり,広く世界に蔓延しており抗体保有率も高いといわれている.しかし,偏性細胞内寄生性細菌であるため一般細菌検査室では,同定が困難である.しかも血清抗体価も抗原の準備と熟練を要するため一部の施設でしか測定できなかった.そこで最近開発された,抗C.pneumoniae特異抗体測定キット「ヒタザイムRC.ニューモニエ」を用いて大阪市,神戸市,大分市在住の20歳の健常な男女320例の,血清抗体陽性率を測定し疫学的調査を行った.平均抗体陽性率は58.1%であった.IgA抗体陽性率は42.8%,IgG抗体陽性率は46.5%であった.地域差,男女差は認めなかった.従来の報告と同じ結果であり日本全国にC.pneumoniaeが蔓延していると考えられた.また,本キットはELISA法による簡便な測定のため,臨床に有用である.

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