日本耳鼻咽喉科学会会報
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掌蹠膿疱症患者におけるαレンサ球菌に対する血清抗体の解析
村形 寿郎原渕 保明
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1999 年 102 巻 2 号 p. 226-235

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抄録

掌蹠膿疱症患者におけるαレンサ球菌に対する全身的免疫応答を検討するため, αレンサ球菌 (Str. sanguis, Str. salivarius, Str. mitis) およびβ溶連菌 (Str. Pyogenes) に対する血清の特異的抗体価をELISA法にて測定した. またαレンサ球菌の菌体成分のうち血清抗体の標的となる抗原を解析するためウェスタンブロット法を行った. その結果, 掌蹠膿疱症患者血清中のStr. sanguisStr. salivariusに対する特異的IgG抗体価は反復性扁桃炎患者血清および健康成人血清より有意に高かった. Str. Pyogenesに対する特異的IgG抗体価は3群間に差はなかった. ウェスタンブロット法にて解析したところ, Str. sanguis, Str. salivariusおよびStr. mitisの菌体成分のうち, 25~27kDaに対するIgG抗体を認めた症例は掌蹠膿疱症患者群では正常成人群より有意に多かった. 一方, Str. Pyogenesの25~27kDaに位置する菌体成分に対する抗体の発現率は2群間に差は認められなかった. これらのことから掌蹠膿疱症患者ではαレンサ球菌 (Str. sanguis, Str. salivarius, Str. mitis) に対する免疫反応性が亢進しており, それらの菌体成分のうち25~27kDaに位置する抗原が標的となっている可能性が示唆された.

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