日本耳鼻咽喉科学会会報
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蝶形骨洞アスペルギルス症の検討
田口 享秀椙山 久代高橋 明洋森田 豊彦石戸谷 淳一
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1999 年 102 巻 9 号 p. 1042-1045

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抄録

副鼻腔アスペルギルス症は, 多くは上顎洞に発症し蝶形骨洞に罹患するものは少ない. また, 副鼻腔アスペルギルス症は大きく非侵襲型と侵襲型に分けられており, このような侵襲度の違いは宿主側の防御因子の低下なのかそれとも菌側の攻撃因子によるものなのか議論のあるところである.
今回, 我々は転帰の異なる蝶形骨洞アスペルギルス症の3例を経験した. これらの症例の検討により, 副鼻腔のアスペルギルス症の侵襲度の違いに宿主の免疫能の関与が考えられた. さらに, 副鼻腔アスペルギルス症の侵襲度や予後が異なる要因として罹患部位, 患者背景および診断と治療のタイミングについて文献的考察を行った.

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