日本耳鼻咽喉科学会会報
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両側反回神経麻痺に対するレーザー披裂軟骨切除術
佐藤 公則吉田 哲二梅野 博仁中島 格
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2000 年 103 巻 2 号 p. 147-153

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抄録

両側反回神経麻癖による両側声帯正中固定例12例に対するレーザー披裂軟骨切除術症例を検討し以下の結果を得た.
1) 炭酸ガスレーザーによる披裂軟骨切除術は,外切開を加えず,手術侵襲が少なく,音声をあまり損なうことなく気道が確保でき誤嚥もない術式であり,両側反回神経麻痺による両側声帯正中固定例に対して有用な手術法と考えられた.
2) レーザー披裂軟骨切除術を行う際の重要なポイントは,披裂軟骨切除は粘膜下に行う,甲状披一裂筋後部も一部切除し後部声門の側壁を広く開大する,声帯膜様部にはなるべく手術操作を加えない,創の閉鎖にフィブリン糊を用いるであった.

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