日本耳鼻咽喉科学会会報
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内視鏡による下垂体へのアプローチ方法
中川 隆之高島 忠義富山 健太朝田 雅博
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2001 年 104 巻 1 号 p. 1-8

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抄録

近年, 内視鏡下副鼻腔手術の手技および器機を応用した内視鏡下鼻内下垂体手術が行われている. 内視鏡下にトルコ鞍に到る経路には, いくつかの経路があるが, 我々は, 両側経鼻腔法を標準術式としている. 他のアプローチを使用した2例を含め, 下垂体腺腫6例およびラトケ氏嚢胞2例合計8例に対して行った内視鏡下下垂体手術の経験に文献的考察を加え, 内視鏡下下垂体手術に適したアプローチ方法について, 耳鼻咽喉科医の立場から考察した. その結果, 経鼻腔法が最も簡便で, 短時間に行える方法であった. しかし, 腫瘍切除を行う脳神経外科医の用いる手技との関連を考慮し, アプローチ法を考える必要があると考えられた. 両側鼻腔を用いると, やや侵襲が大きくなる反面, 広い術野を得ることができ, 安全性, 術後の経過観察, 再発の危険性を考慮すると利点が勝ると判断された. 特に, 鞍外に進展する大腫瘍例には, 両側経鼻腔法の広いワーキングスペースが有用であった. 内視鏡の導入により, トルコ鞍へのアプローチのみならず, 術後経過の管理など耳鼻咽喉科医の果たすべき役割は拡大しており, 内視鏡手術に経験のある耳鼻咽喉科医の積極的関与が期待される.

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