潜在性鼻アレルギーを合併した小児喘息患者36名について鼻粘膜表層および鼻汁中のダニ特異IgE抗体をenzyme immunoassay法により測定した.
非誘発鼻汁中に比べハウスダスト誘発後の鼻汁中には特異IgE抗体が有意に増加し,血清中のそれに近づいた.擦過により得られた鼻粘膜組織中には特異IgE抗体が十分量存在していた.
以上の結果から小児喘息患者に合併した潜在性鼻アレルギーが顕性になり得ない因子の1つとして,鼻粘膜表層に存在する好塩基性細胞表面のIgE受容体に結合するIgE抗体の親和性および鼻粘膜上皮の細胞間隙の結合力等が考えられた.
