日本耳鼻咽喉科学会会報
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卵白アルブミン感作鼻アレルギーモルモットにおける鼻粘膜ムスカリニック受容体の変化と薬物療法による影響
寺田 修久今野 昭義安藤 英樹伊藤 永子戸川 清寺田 美恵
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1988 年 91 巻 6 号 p. 847-855,985

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抄録

卵白アルブミン感作鼻アレルギーモルモットの鼻粘膜ムスカリニック受容体 (mus-R) を測定した. 感作のみの群では対照群と比較して有意なmus-Rの変化は見られなかったが, 感作成立後鼻症状を誘発した群ではmus-Rの有意な増加が認められた. 感作+誘発群に対しDSCG, フルニソリド, アゼラスチン, クレマスチン, トラニラストを, 抗原誘発を繰り返しながら1カ月間投与するとmus-Rの増加はいずれの群においても対照群と比較して有意に抑制された.
以上より, ヒト鼻アレルギーにおける過剰なmus-Rは抗原抗体反応の結果二次的に形成されたものであり, 化学伝達物質のうちのいくつかはmus-Rを誘導し鼻粘膜の反応性亢進に関与している可能性が示唆された.

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