1988 年 91 巻 6 号 p. 907-914,999
我々は, 1983年より4年間にわたり, 気象とスギ花粉飛散量のデータを蓄積し, 今回これらのデータを詳細に分析した結果, 以下のことが明らかとなった. 重回帰分析の結果, 翌年のシーズン総飛散数を規定する因子は, 平均気温, 平均湿度, 日照時間の各々の組み合わせであった. シーズン中の日々の予測は, 前日にでる翌日の予想日最高気温からの予想が可能である. また, 今回はBurkard社製捕集器を用い, 1時間ごとの飛散数と気象情報からスギ花粉の飛散する種々の気象条件がわかった. 以上の結果より, 今後年数を重ねて詳細に検討を加えていけば, 精度の高いシーズン中の日々の予報および次年度のシーズン中の日々の予報および次年度シーズンの飛散数予測を出すことも可能になると思われる.