1988 年 91 巻 9 号 p. 1366-1374
10年以上の経過観察を行い得た側頭骨monostotic fibrous dysplasiaの2例(1:15歳,男子.2:12歳,女子)につき報告した.
1. 2例ともに患側の外耳道狭窄による伝音難聴を訴え,それぞれmodified radical mastoidectomyにより聴力が回復した.
2. 病変の微形態は,2例間で極めて良く類似し,それぞれ初回手術時の微形態と次回手術時のそれとの間に著変はなかった.
a) 病変の増大は,筋線維芽細胞類似細胞の未熟な骨梁産生によると考えられた.
b) 未熟な骨梁の吸収に単球類似細胞の関与が考えられた.