1993 年 96 巻 12 号 p. 2073-2079,2193
我々は, 16歳男性の側頭骨腫瘍を経験した. 摘出に際し, 経中頭蓋法にinfratemporal fossa approachを加味した手術法を行った. 術中迅速病理の結果で悪性腫瘍が否定されたためpartial temporal bone resectionを行い腫瘍を摘出した.
摘出標本に対して鑑別診断を行うために, H.E. 染色, グリメリウス染色, S-100蛋白免疫染色を行い, これらの結果により, この腫瘍は中耳粘膜原発の乳頭状腺腫と診断した.
上記症例に対して, 若干の文献的考察を加えて報告する.