日本耳鼻咽喉科学会会報
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質問表を用いた難聴児スクリーニングに関する方法論的研究
第2編: 1歳6ヵ月児健康診査における正常児と難聴児の回答率について
西岡 慶子波多野 篤斉藤 稚里木口 真樹前田 学増田 游大崎 勝一郎青山 英康
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1993 年 96 巻 4 号 p. 617-625,733

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抄録

市町村主催の1歳6カ月児健康診査において難聴に関する質問に対し回答した者のうち小学1年の入学時に聴力正常と判定された児童165名と難聴児通園施設における難聴児37名の同様の回答を比較し検討した結果を報告した. 児の聴力に関する質問の回答率すべてに有意差があり, また家族に難聴者がいるなどの質問に有意差があり, 出産時の仮死や黄疸では差がなかった. 回答率のなかで特に著しい差のある項目は, 質問6, 7, 8, 10, 11, 16, 18であった. また実施に際して, 有用性が高く, 普遍性のある項目は, 難聴の疑いをもったか否かという項目のほか8, 10, 18と考えられた.

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