日本耳鼻咽喉科学会会報
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一方向減衰回転刺激のearth vertical axis rotation (EVAR) とoff vertical axis rotation (OVAR) の臨床応用
健常例と一側前庭神経切断例の比較
水野 信一加我 君孝都筑 俊寛坂田 英明
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1995 年 98 巻 4 号 p. 613-618,755

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抄録

健常者6例と一側の前庭神経を切断した3例に対して一方向減衰回転刺激を用いたEVARとOVARを施行した. OVARでは回転軸を垂直な軸より10度傾けた. 回転刺激は急速に毎秒180度まで加速し直ちに-4度毎秒毎秒の減加速度を与える一方向減衰回転刺激である. EVARとOVARとの間の回転中眼振と回転中眼振の持続時間についてt検定を施行し検討した.
結果は健常者全例と一側前庭神経切断例全例ともに回転中眼振の数と持続時間はEVARよりもOVARの方が有意 (p<0.01) に増加した. EVARでは半規管のみの刺激であるのに対して, OVARでは末梢前庭系全体が刺激されたためであると考えられる.

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