1995 年 98 巻 6 号 p. 931-936,1073
フロセミドテストには, 44℃, 30℃, 50ml, 20秒の注水刺激を用いてきた. しかし水刺激は温度設定が困難で不正確になりやすく, このことは, 前後で同一の刺激を必要とする本検査の最大の欠点となる. この欠点を補うため, エアー刺激を用いることを検討した. 正常耳28耳を用いて水刺激と同等の刺激量を求めると, 37±11℃, 61/min, 60秒となり水刺激とも良く相関することが確かめられた. エアー刺激を用いてフロセミドテストを行ったところ, 正常群では4.7%に陽性例が見られ従来の結果とほぼ一致した. エアー刺激を用いることで温度設定が正確で容易, しかもより苦痛の少ない検査が可能となった.