1995 年 98 巻 6 号 p. 968-973,1075
正常50耳を対象に, 単純レ線で側頭骨含気腔面積を測定し, CTで含気腔体積を測定して両者の相関を検討した. 面積と体積とは正の相関が得られ, その関係式はプラニメータ法ではY=0.901X-2.26 (r=0.885) で, 矩形面積法ではY=0.542X-2.57 (r=0.876) であった. この式は, 単純レ線による面積から立体構造を呈する含気腔の体積を予測する場合に応用できる. また全含気腔体積に対する部位的含気腔比率を算出したが, 全体積が小さいほど, 鼓室腔体積の比率が大きかった. 全体積が大きいほど, 錐体尖含気腔体積の比率が大きかった.