日本耳鼻咽喉科学会会報
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小児両側声帯麻痺症例の検討
高松 一郎
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1996 年 99 巻 1 号 p. 91-102,123

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抄録

1970年から1993年までに神奈川県立こども医療センターを受診した小児両側声帯麻痺症例は18例で, その内訳は8例が男児, 10例が女児, 合併する奇形ないしは疾患としては未熟児3例, 脊髄髄膜瘤2例, Arnold Chiari奇形, 脳性麻痺, 水頭症, 喉頭軟化症, William's症候群, Wiedemann Beckwith症候群, 低酸素脳症, 食道裂孔ヘルニア, 大脳萎縮などであった. 臨床経過は7例が完全に改善, 5例が不全麻痺を残した. 2例は右声帯麻痺を残し, 2例は改善せず現在も気管切開中である. 1例は低酸素脳症のために死亡, 1例は不明であった. 本疾患は臨床的に改善する症例も多く, 当院では可能な限り気管切開を避けて治療に当たり, 良好な臨床経過を示した.

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