2022 年 125 巻 11 号 p. 1586-1592
側頭骨腫瘍摘出術に対して, Medtronic 社製の O-arm® と StealthStation® を接続することにより, 術中撮影CT画像による自動レジストレーションナビゲーションを行った. 側頭骨亜全摘術では腫瘍周囲に安全域を設けて骨削開を進める際に役立った. 顔面神経鞘腫では腫瘍の中枢側断端と中頭蓋底との解剖学的距離の確認に有用だった. 本システムでは安定して高い精度を示すことができ, 誤差の程度を確認しづらい側頭骨手術において高い信頼性をもって用いることができた. また, 術中撮影を行うことで手術手順に応じてリアルタイムに術野が更新可能であることから, 柔軟な活用ができることも本システムの利点であった.