耳鼻咽喉科臨床
Online ISSN : 1884-4545
Print ISSN : 0032-6313
耳鼻科領域に於けるX線撮影法の基礎的研究
深津 久治
著者情報
ジャーナル フリー

53 巻 (1960) 11special 号 p. 1239-1262

詳細
PDFをダウンロード (15124K) 発行機関連絡先
抄録

耳鼻科領域のX線写真撮影は, 軟部組織, 骨組織, 含気腔等の構成が, 非常に緻密かつ複雑であるため, 診断目的に適う画像を得ることが極あて困難である. 鮮鋭なる画像を得るためには, 対照度(Contrast)と明細度(Detail)が良好な事が必要である。然るに耳鼻科領域においては, この方面に関しては従来殆んど系統的研究がなされていない.
本研究は第1編において, 単純撮影における画像の対照度(Contrast). に重要な関係を有する, 透過X線の線質および2次散乱線に関し, ファンレームを用いて実験的研究を行つた. その結果耳鼻科領域においては胸部と異り, 管電圧が透過X線の線質ならびに2次散乱線の含有率に影響する程度が著しく大であり, この領域として独自に論ずる必要のある事を明らかにした.
次に第2編においては断層撮影の画質を決定する障害陰影の問題と, 断面像自体の鮮鋭度の問題の内, 後者についてこれに重大な影響を有するX線管焦点寸法, 管電圧および振子角度に関して, ファントームおよびロッホファントームを使用して, 実験的研究を行つた.
さらに第3編においては, 耳鼻科領域断層撮影における新しい試みとして, 斜角断層撮影法を実施した. すなわち在来障害陰影除去の方法として, 円軌道または多循環式運動方式があるが, 本研究においては通常の円弧軌道または直線軌道運動方式を採用して, しかも障害陰影を必要な断面像に重複せしめないための方法を研究したものである.

著者関連情報
© 耳鼻咽喉科臨学会
次の記事

閲覧履歴
feedback
Top