抄録
(1) 自動回転を, 一連のリズム性プログラム運動の一環として組み入れたり, 新, 動的身体平衡機能検査法, 交代性足踏回転検査を, プログラム運動司令発生ならびに制御の見地から考察した.
(2) 本検査遂行により顕現する迷路性ならびに非迷路性潜在偏倚について考察し, 併せて一側大脳半球優位性をも考慮の必要性を指摘した.
(3) 回転方向が, 左右異方向であっても, 自動回転後比較的長時間 (数時間) にわたって, 同一方向に偏倚が認められた. (迷路機能低下側へ偏倚) これは自動回転には, 刺激回転の後効果が延長するによると考察した.
(4) 潜在迷路偏倚側反対方向, 自動回転に, 困難感が訴えられることが多かった. これは前庭情報の大脳皮質活動への影響によるものと考察した. 然し併せて, 一側大脳半球優位性をも考慮の必要性を指摘した.
(5) 本検査は, 運動リズムと関係が深いことから, 運動適性検査の可能性についても触れた.