73 巻 (1980) 7 号 p. 1229-1237
1975年9月より, 1978年6月までに当耳鼻咽喉科で扱った頭頸部悪性腫瘍患者50例に対して制癌剤5-FU Dry Syrup の経口投与を行い, 下記の成績を得た. 又13例について腫瘍組織内濃度および血中濃度の測定を行なった.
1) 早期治療効果判定, 総合治療効果判定で有効率は各々, 81.4% (35/43), 62.5% (25/40) であった.
2) 原発巣別有効率では, 食道, 下咽頭, 舌, 上咽頭では長期追跡により有効率がかなり低下したが, 上顎および喉頭では著しい差はなかった.
3) 扁平上皮癌に対する有効率は, 早期治療効果判定, 総合治療効果判定で各々, 82.3%, 56.3%であった.
4) 治療法別有効率では, 5-FU+放射線+手術が最も好成績であった.
5) 副作用は38%に認められたが, ほとんど放射線照射中であり, 休薬, 投薬中止により改善した. 7.5mg/kg/日以上の投与で副作用出現が高頻度であった.
6) 腫瘍組織内濃度測定では31% (4/13) に5-FUが定量され, 平均1.03mcg/gであり, これらの部位は副鼻腔領域であった.
7) 血中濃度測定では 23% (3/13) に5-FUが定量され, 平均0.053mcg/mlであり, 腫瘍組織内濃度に比し低い値であった.