耳鼻咽喉科臨床
Online ISSN : 1884-4545
Print ISSN : 0032-6313
Neck-torsion nystagmus 発現における頸部と四肢の深部受容器の協応
正常ウサギの脳波と頸筋, 四肢筋のEMGを指標とする分析
伊藤 信輔桧 学
著者情報
ジャーナル フリー

74 巻 (1981) 11 号 p. 2667-2687

詳細
PDFをダウンロード (2621K) 発行機関連絡先
抄録

正常ウサギの頸捻転頭位で誘発される眼振が肢位によって変動する機序を, 四肢筋EMG, 深層項筋EMG, EEG, ENGを用いて調べた.
(1) 躯幹を布片で固定して吊下げ, 四肢を空中に自由にした姿勢を対照姿勢とすると, 両側後肢を支持した姿勢では, 後肢伸筋の筋放電が増大し, 脳活動性 (脳波覚醒反応) は高まる. この条件下に時計回り方向に頸捻転を行うと, 顎側の後肢伸筋とその同側の深層項筋の筋放電はさらに増大し, 脳活動性が増強する. この際, 眼振は活発に出現する.
(2) 両側後肢を牽引した姿勢では, 後肢伸筋の筋放電は抑制され, 脳活動性は低下する. この条件下に頸捻転を行うと, 顎側後肢伸筋には明瞭な筋放電を認めず, またそれと同側の深層項筋の筋放電もその増加の度が弱く, 脳活動性も低下する. この際, 眼振の解発は抑制される.
(3) 前肢を支持あるいは牽引した姿勢での頸捻転時の前肢伸筋, 及び深層項筋の筋放電, 並びに脳波の変化は, 対照姿勢で同じ操作を行った成績と有意の差がない. また頸捻転で解発される眼振にも, 両者間に有意差をみない.
以上の成績より, 後肢伸筋に分布する固有受容器からの impulse の増大あるいは減少は, 主として深層項筋活動性に影響し, それを介して脳活動性に影響を及ぼす. かくして頸捻転による眼振の発現には有意の変動がおこると述べた.

著者関連情報
© 耳鼻咽喉科臨学会
前の記事 次の記事

閲覧履歴
feedback
Top