耳鼻咽喉科臨床
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アストレメヂン®の鼻アレルギーに対する治療効果
比較試験法による検討
奥田 稔海野 徳二矢島 洋坂本 伸雄小崎 秀夫林 奈美江後藤 寛大塚 博邦坂口 幸作富山 俊一佐藤 恒正鈴木 秀明三宅 浩郷野村 公寿打越 進宇佐神 篤伊藤 明和坂倉 康夫鵜飼 幸太郎伊藤 由紀子大迫 茂人黒木 幸一藤谷 哲造高原 哲夫竹林 脩文林 鷹治鈴木 健男高岡 基雄大山 勝橋本 真実深水 浩三
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1981 年 74 巻 12 号 p. 2807-2837

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抄録
1. 通年性鼻アレルギーに対するアストレメヂンの有効性と有用性を検討するため, 対照とのオープントライアルを同時群間比較により152例に対して行った. アストレメヂンは週1回, 計4回投与を行った.
2. 全般改善度の最終判定では, やや改善以上の全般改善率は73.2%で, 対照に比して極めて有意な差を認めた. 効果発現は2週目までに54.1%に認めた. 自覚症状ではくしゃみ発作, 鼻汁, 生活支障度に, 他覚所見では腫脹, 水性分泌, 誘発反応に対照との間に極めて有意な改善を認めた.
3. 日記による自覚症状はアストレメヂン4回投与後, もとに戻る傾向を示し, 投与回数についてはさらに検討を必要とした.
4. 副作用は少く, 局所的, 軽度で, 有用性が76.1% (やや有用以上) で認められた.
5. ARの作用機序は粘膜ヒスタミン感受性の低下にあると考えられた.
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