抄録
1. 通年性鼻アレルギーに対するアストレメヂンの有効性と有用性を検討するため, 対照とのオープントライアルを同時群間比較により152例に対して行った. アストレメヂンは週1回, 計4回投与を行った.
2. 全般改善度の最終判定では, やや改善以上の全般改善率は73.2%で, 対照に比して極めて有意な差を認めた. 効果発現は2週目までに54.1%に認めた. 自覚症状ではくしゃみ発作, 鼻汁, 生活支障度に, 他覚所見では腫脹, 水性分泌, 誘発反応に対照との間に極めて有意な改善を認めた.
3. 日記による自覚症状はアストレメヂン4回投与後, もとに戻る傾向を示し, 投与回数についてはさらに検討を必要とした.
4. 副作用は少く, 局所的, 軽度で, 有用性が76.1% (やや有用以上) で認められた.
5. ARの作用機序は粘膜ヒスタミン感受性の低下にあると考えられた.