74 巻 (1981) 8 号 p. 1697-1714
(1) 常聴力者における各種条件下のBSRの検討を行った. その結果, BSR誘導条件としては, 4KHzサイン半波, 刺激間隔100msec, 加算回数2000回, 周波数3000Hz~0.53Hzが好都合であることを見出した.
(2) 頭蓋内に病巣を持つ疾患例のBSRについて, 波の消失, 潜時の延長, 波形の異常などを従来の報告を参照しながら検討した. その結果, 次の事実が判った.
(イ) 純音聴力が正常か軽度障害例でもBSRの変化が明瞭であることがあるが, この逆の関係もあった.
(ロ) 中枢, とくに脳幹に病巣があり, 多彩な神経症状が出現しても, BSRに異常をみるとはかぎらない.
(ハ) ある種の中枢性疾患では, 症状の変化とBSRの変化の間に正相関がみられた.