74 巻 (1981) 9special 号 p. 2135-2141
頸部に発生した神経原性腫瘍2症例を報告した. 第1例は摘出後に Hormer 症候と声帯麻痺を来たしたが, 約半年後より声帯麻痺は改善した. このことから発生母神経は頸部交感神経と考えられ, 声帯麻痺は手術中の迷走神経の損傷によるものとわかった. 第2例は術前の症状と術中の解剖学的な位置関係より迷走神経を発生母神経と予測し, また確認し得た. 2症例とも病理学的に典型的な schwannoma と診断されたので, 本腫瘍について若干の文献的考察を加えてみた.