75 巻 (1982) 4 号 p. 921-926
1年間に Primary Care Hospital で経験した急性中耳炎を対象に起炎菌ならびにその季節的な特徴などを検討した.
1) 鼓膜切開例は406例で肺炎球菌49.9%, インフルエンザ菌32%, 溶連菌7.5%, 黄色ブ菌5.0%であった. 耳漏例は168例で肺炎球菌26.2%, インフルエンザ菌23.5%, 溶連菌14%, 黄色ブ菌21.3%であった.
2) 統計学的に鼓膜切開例から肺炎球菌, インフルエンザ菌を, 耳漏例から黄色ブ菌, 溶連菌を検出しやすいことを確認した.
3) 急性中耳炎の起炎菌を論ずるとき, 検体の採取方法を明示する必要性がある.
4) 検出菌を季節ごとにみるとインフルエンザ菌は冬に, 肺炎球菌は春に, 緑膿菌は夏に検出されやすい.
5) インフルエンザ菌検出率と小学校児童の風邪による欠席者数との関係を検討した.