耳鼻咽喉科臨床
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鼻出血に対する顎動脈結紮術
綿貫 幸三高坂 知節古和田 勲伊藤 和也六郷 正暁柴原 義博富岡 幸子佐久間 真弓三好 彰粟田口 敏一遠藤 里見本田 光子河本 和友
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1982 年 75 巻 5 号 p. 1059-1068

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抄録
従来, 頻回の鼻腔後部出血で, 鼻腔タンポンあるいはベロックタンポン等による保存的処置に抵抗する大量出血例に対しては, 外頸動脈結紮が適応と考えられた. これらの大部分の症例は, まづ顎動脈結紮によって止血できると考えられる. 顎動脈結紮に必要な解剖を述べ, その術式について実際的に紹介した. 考按において, 鼻出血に対して行われている各種の保存的ないし外科的処置にどんなものがあるかを文献的に調査して記述した. 顎動脈結紮の利点と次点を列挙した. 顎動脈結紮術は, 従来の外頸動脈結紮適応症例の中の少なからぬ症例のみならず, 外頸動脈結紮まではするに及ばないと考えられる症例に対しても適応拡大があるのではないかと考えた.
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© 耳鼻咽喉科臨学会
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