鼻茸を有する8症例の鼻アレルギー患者および20名例の非アレルギー性鼻炎患者に, 鼻茸粘膜を検体としたt-RASTと, 従来よりの鼻アレルギー検査 (皮膚試験, 鼻粘膜誘発試験, 鼻汁好酸球検査, RAST) および鼻茸粘膜での誘発試験を施行し, 以下の成績を得た.
1. 鼻アレルギー症例の鼻茸粘膜内にIgE抗体は必ずしも証明されなかった.
2. 鼻アレルギー患者の鼻茸粘膜内にIgE抗体が存在する場合でも, その抗体量は少量であった.
3. IgE抗体を有する鼻茸上で抗原誘発を施行した場合には, 鼻茸内の肥満細胞に脱顆粒が認められたが, 鼻アレルギー様症状の誘発が観察されなかった.
4. 非アレルギー性鼻炎症例の鼻茸粘膜内にもIgE抗体の認められる場合もあった. 以上の成績より, 鼻茸を検体としたt-RASTは鼻アレルギーの検査法としては診断学的意義が乏しいこと, また鼻アレルギーにおける鼻茸は生体防禦的な一面をも有している可能性が推察された.