2022 年 101 巻 8 号 p. 152-161
水素は代替燃料として燃料電池アプリケーションでの利用が検討されている。水素の貯蔵システムとしてはエネルギー体積密度の高さや安全性により水素吸蔵合金が注目されている。燃料電池と水素吸蔵合金を利用したエネルギー供給システムを電動アシスト自転車へ応用するために,過去の研究では負荷重量と電力需要について評価されている。本研究ではこのようなシステムを前提として,水素吸蔵合金カートリッジを設計し,吸熱によって水素を放出する水素吸蔵合金に燃料電池の排熱を供給したときの温度変化を測定することを目的とする。まず,燃料電池の排熱供給が燃料電池の発電特性へ与える影響について調査し,その影響を低減にするような排熱収集方法について検討した。次に重量および容量と燃料電池からの排気量をもとに水素吸蔵合金カートリッジの構造設計を行い,水素吸蔵合金タンクへの外部からの熱的効果を最大限利用するために少量のタンクを複数重ねる構造を提案した。最後に,設計をもとにしたダミーカートリッジを試作し実際に燃料電池からの排熱を供給し,発電時間に応じた温度変化を評価した。