2014 年 93 巻 12 号 p. 1257-1266
本稿では,児童が自校のPV システムに親しみを持つための活動(PVふれあい活動)の実施と,その効果について述べる。PVふれあい活動において,児童は最初に自校のPVパネルを観察したり触ったりし,その後,一定期間,交代でPV パネルの掃除と発電量の記録を行う。このようなPVふれあい活動を横浜市内の3校で実施した。PVふれあい活動の効果を測定するために,質問紙調査とインタビュー調査を行った。これらの調査では,自校のPV システムに対する心理的近接性や節電行動,環境問題に対する関心等の変化について測定した。調査結果から,PVふれあい活動を通じて,児童は自校のPV システムに対して愛着を持ったり,自校のシンボルとみなしたりするようになる可能性を見出すことができる。さらに,節電行動や環境問題に対する関心が高まったり,電気の重要性を一層強く感じたりする可能性がある。PVふれあい活動は,児童がグローバルなエネルギー・環境問題を自分に関係のある問題として捉えることに役立つことが推察される。