日本エネルギー学会誌
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論文
火力電源入札制度によるリプレースの経済性評価
高野 祐人高嶋 隆太
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2015 年 94 巻 1 号 p. 121-129

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抄録

近年,一般電気事業者による火力電源調達事業を競争入札に掛けることにより,プラントの設備更新や,多様な主体による供給力増強を目指した火力電源入札制度が実施されている。本研究では,火力発電プラントのリプレース意思決定問題に関して,一般電気事業者とIPP 事業者の2者が存在する状況を考える。さらに,火力電源入札制度に着目し,燃料費の不確実性を考慮した火力発電プラントのリプレースモデルを構築し,発電事業者のリプレース意思決定に関する経済性評価を行う。特に,最適な投資のタイミング指標である閾値を導出し,火力電源入札制度を考慮したときの卸価格と入札価格が,リプレースの閾値に与える影響について分析を行う。その結果,入札価格の低下に伴いリプレースは促進される一方で,入札価格の過度な低下はリプレース機会を減少することを明らかにする。

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© 2015 一般社団法人 日本エネルギー学会
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