2015 年 94 巻 1 号 p. 130-136
石灰石焼成炉用燃料として粒状廃プラスチックを用いた場合の燃焼挙動について,電気炉による試験および実機への吹き込み試験を行った。電気炉試験の結果,6 mmφの粒状廃プラスチック単一粒子の燃焼には1000℃で,約25 sec の滞留時間を要した。燃焼時間は粒状廃プラスチックの性状にも影響され,緻密なものほど燃焼時間を必要とする結果となった。実機石灰焼成炉での試験結果より,気流輸送により吹き込まれた粒状廃プラスチックは炉内吹込み直後に着火後,石灰石/ 生石灰上に落下し,石灰石と移動しながら燃焼し,粒状廃プラスチックの吹き込み速度により,燃焼位置が変化するものと考えられる。また,粒状廃プラスチックはコークス炉ガスと同等以上に熱量基準で利用できることが明らかとなった。