2015 年 94 巻 6 号 p. 594-600
バイオマスを低温ガス化して得られた実バイオガスを燃料として,火花点火ガス機関発電システムを運転したときの性能と燃焼特性を明らかにした。これまでの研究に対して,計測方法と変動の問題を再検討するとともに,天然ガス機関として実用されている機関を新たに用い,結果の信頼性と普遍性を検証した。ガス化に用いたバイオマス資源は木質ペレットであり,生成されたガスは水素やメタン,一酸化炭素といった燃料成分を含むとともに,二酸化炭素や窒素といった希釈ガス成分を含む。実バイオガスでの運転では,天然ガスよりサイクル変動が低く,正味平均有効圧力が0.4 MPa 以下であるにもかかわらず,最大の正味熱効率は30%を超えるなど,実バイオガスが希薄でかつ希釈した燃焼に適していることが明らかになるとともに,従来得られている結果が定量的にも確認された。