日本エネルギー学会誌
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新バイオディーゼルHiBD の製造プロセスのための固定床反応システムの改良
村上 弥生谷 春樹朝見 賢二藤元 薫
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2015 年 94 巻 9 号 p. 1074-1078

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抄録

固定床による高品質なバイオディーゼル(HiBD) の製造技術の開発を行ってきた。従来のダウンフロー方式の固定床を用いて,MgO/SiO2 触媒上で450℃における廃食油の接触分解を行うと,炭素数4から18 の炭化水素の生成油収率は約55%,炭素数19 以上の含酸素化合物の収率は約30%となる。一方,アップフロー方式の固定床を用いて,430℃における廃食油の接触分解を行うと,ダウンフロー方式よりも生成油の収率は60%以上と高くなり,含酸素化合物の収率は減少する。また,原料油に水を加え,エマルジョン状態で反応させると,トリグリセリドから脂肪酸への加水分解反応が促進することにより,ダウンフロー方式とアップフロー方式の両方において生成油の収率が改善されることを見出した。アップフロー方式において,水が存在する場合,水が存在しない場合より生成油の含酸素化合物の収率はわずかに増加したものの,酸価は増加しなかった。以上のことから,アップフロー方式の固定床反応を用いることはHiBD の製造に適していることがわかった。

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© 2015 一般社団法人 日本エネルギー学会
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