日本エネルギー学会誌
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技術論文
Adaptability of Wood Biomass to Fixed Bed Gasifier Controlling Bed Height
Hajime YASUDAYoshizo SUZUKIShohei SAKAITakaaki WAJIMAHideki NAKAGOME
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2016 年 95 巻 4 号 p. 296-302

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抄録

バイオマスをガス化し,DME 等の石油代替燃料を製造するBTL プロセスにおいて,ガス化ガスをDME に転換する工程は加圧下で行われる。バイオマスのガス化を加圧で行えば,合成工程に送るガス化ガスの昇圧動力を低減することができる。アップドラフト固定床方式では,加圧ガス化を小規模でも高効率に行うことができる。固定床ガス化の原料には木質チップが適合する。廃棄物系原料の使用を視野に入れると粉状や繊維状の原料の使用が課題となる。本研究では,加圧容器の中に設置する固定床ガス化炉で,遠隔操作で着火・原料供給等を行える実験装置を設計・製作した。この装置を用い,複数の原料を用いて試験を行った結果,原料により加圧固定床ガス化反応器に対する適合性に差違が見られた。原料として木質ペレットを用いた試験ではガスの偏流等の不具合を生じたのに対し,木質チップと同様に適合するパームカーネルシェルを用いた試験では良好なガス化反応を実現した。木質ペレットで炉内原料層高を制御した実験を行ったところ,層高を低くすると不具合は改善する一方,出口ガス温度の上昇を招いた。

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© 2016 The Japan Institute of Energy
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