2016 年 95 巻 5 号 p. 441-447
我々は,第1象限と第4象限において,I-V カーブを従来よりも正確に取得する進んだ技術を提案している。本研究では,様々な劣化状態にあるモジュールのI-V カーブを評価するにあたり,日射強度依存性を調べることに重きをおいた。I-V カーブは,様々な日射強度で得られた第1象限と第4象限で掃引されたものである。そこで,太陽電池セルの等価回路における4定数,つまり直列抵抗(Rs),分路抵抗(Rsh),ダイオード因子(n),飽和電流(A)を分析した。様々な日射強度でRs値が求まり,同じ型式のモジュールでは,それぞれの値が安定していた。Rsはストリングにおけるモジュールの劣化,断線の検出に用いられる可能性がある。同様に,Rsh,n,A も診断の指標に用いられることが期待できる。診断の指標として4定数が用いられる実用性を探るため,様々な日射強度に対する4定数の値を調べた。