2016 年 95 巻 8 号 p. 605-614
7 MW級の微粉炭を用いる既存の燃焼炉でパーム椰子殻(PKS)を混焼することを想定し,数値流体力学(CFD)によるモデル化と解析を行った。石炭とPKSの混焼は気固相を含む複雑な化学反応であることに加えて,燃焼炉内の乱流の影響もある。数値シミュレーションでは,均質相(揮発性物質)と不均質相(チャー)を含む2段階の反応メカニズム,乱流,放射伝熱を考慮した。また,PKSと石炭の質量分率として,0(全量石炭),10,15,25,50%の5種を与えて評価した。本研究では主に,混焼に伴う燃焼炉内での温度分布,速度分布,CO2,CO,SO2等の生成ガスに着眼した。その結果,PKS質量分率が高いほど,燃焼温度が上昇して生成ガスの構成も良くなることを明らかにした。