燃料協会誌
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フタール酸カルシウムの油溶化
田畑 久雄
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40 巻 (1961) 5 号 p. 393-398

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抄録

ボイラー重油を使用する大型2-サイクルディーゼル機関のシリンダー油添加剤として硫酸を硫酸カルシウムとなし固定する目的でフタール酸カルシウムの油溶化をナフテン酸カルシウムの存在により検討した。
1.無水フタール酸を1molとナフテン酸を2molの比で膠状水酸化カルシウムを含む乳化潤滑油 (強アルカリ価KOHmg/g 66, 水分24.2%) に加え, 完全に石鹸を生成させた後脱水し320~330℃ にて約20分激しくかきまぜることにより常圧並びに加圧下で定量的にフタール酸およびナフテン酸のカルシウム塩を潤滑油に溶解できた。またこの溶解油には両カルボン酸の酸価対応量以上のカルシウムが存在した。
2.フタール酸力ルシウムを1mol, ナフテン酸カルシウムを1molの比で潤滑油に加え1.5%以上の水酸化カルシウムと共に加熱攪伴しても同様に両酸のカルシウム塩を潤滑油に溶解できた。
3.この油溶化した両酸のカルシウム塩は一つの新しい化合物を生成したと推定され高アルカリ潤滑油添加剤となり得る可能性があつた。
4.過度の反応条件下では油溶性を急激に失つてゲル化したがこれはまた高滴点グリースになる得る可能性があつた。

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